嗅覚の脱失 アリナミンPテスト?Fテスト? 2015.09.10
交通事故に遭い、鼻を欠損しないで、機能障害のみを残すものについては後遺障害として認定されれます。
嗅覚が無くなったり(嗅覚脱失)、鼻呼吸困難があるものは12級、嗅覚が減退した場合は14級が認定されます。
嗅覚障害が残ったときには、T&Tオルファクトメータという検査キットを使用した嗅覚検査を受け、基準値以下の嗅覚であることが証明できなければなりません。
嗅覚脱失については、静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)の所見によって確認しても差し支えがありません。
アリナミンテストとはアリナミン注射液を、静脈注射して、ニオイ物質が、肺から気化して、呼気に取り込まれ、自分の呼気から特有のニンニク臭を自覚できるかどうかを調べるという検査です。
アリナミン静脈注射には、通称PテストとFテストと呼ばれる2種類の検査があります。
この二つのテストの違いは、使用する薬品の違いです。
Pテストというのはアリナミン注射液を使用した検査で、FテストとはアリナミンF注射液という薬品を使用した検査です。
アリナミン注射液にはプロスルチアミンという有効成分、アリナミンF注射液にはフルスルチアミンという有効成分があり、頭文字をとってPテスト、Fテストと言い分けています。
どちらもビタミンB1誘導体です。
プロスルチアミンはニンニク成分とビタミンB1を結びつけて作られており、フルスルチアミンはコーヒーの香り成分とビタミンB1を結びつけて作られております。
プロスルチアミンのニンニク臭を改良するためにフルスルチアミンが作られたと言われています。
交通事故の受傷により嗅覚脱失がある場合、後遺障害の申請においてどちらの検査なのかを気をつけなければなりません。
アリナミンテストは嗅覚があるかないかを調べるための検査ですから、臭いがそこまできつくないフルスルチアミンでは立証として不十分と労災、自賠責が捉えているからです。
静脈性嗅覚検査を受ける際に、使用する薬品はアリナミン注射液かアリナミンF注射液かを確認し、アリナミンFを使おうとしている場合には、アリナミン注射液を使用した検査をお願いすると良いでしょう。
Pテスト、Fテストという呼び方は、後遺障害の申請において使い分けているだけで、賠償や後遺障害についてほとんど知らない医師に、「Pテストでお願いします」と言っても医師は何のことやら意味がわからない可能性が高いのでお気を付け下さい。
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