交通事故コラム

自賠責と裁判所の判断 2015.08.07

先日、「後遺障害等級判断の境界-自賠責保険の認定と裁判例-」(丸石拓也、楠慶:著)という書籍を購入しました。

こちらの書籍では、自賠責保険が認定した後遺障害等級に対し、上位の等級が認定された裁判例、認定等級自体には変更がなく、あるいは等級への言及はないものの、認定等級に対応する労働能力喪失率を上回る労働能力喪失率が認定された裁判例を取り上げ、被害者側の主張が認められるに至った判断のポイント等わかりやすくまとめられておりました。

我々行政書士は交通事故の後遺障害の手続きは自賠責保険でお手伝いしますが、この書籍で紹介されている例のように、裁判では自賠責保険とは違った判断が下されることが大いにありますので、自賠責保険の認定基準だけを視野にいれて立証活動をしてしまうと被害者にとって大きな損失となってしまうことがあります。

この書籍では被害者側にとって良い方向に解決した例を紹介しておりますが、逆に裁判を経て、自賠責保険の認定よりも下位の等級が認定されたり、労働能力喪失率、喪失期間を減算される裁判例も多数存在します。

交通事故業務に携わる行政書士は、自賠責保険だけに目を向けず、裁判所がどういった傾向を示しているのかを意識しながら仕事をしていかなればならないと、強く感じました。

≫ 一覧へ戻る

メール相談お気軽に
メールフォームへ
トップへ戻る