むち打ち損傷の受傷の機転とメカニズム 2015.03.12
むち打ち損傷は追突によって起こるものが最も多く、全体の90%以上を占めるといわれています。
それはいろいろな衝突事故の中で追突が最も運転者や同乗者に気づかれにくく、無防備状態にあるときに、不意に外力が加わるからです。
追突を受けると、車体は前方へ押し出されるので、静止した頭部は慣性の法則に従い、何らかの外力が働くまでは静止したままの状態ですが、突如前方に押し出されるので頭が後方にのけぞるように頚部が過伸展状態になり、次の瞬間にはその反動で前方に屈曲します。
鞭を強く振った状態になります。
この現象からむち打ちと呼ばれています。
この時、頸部の組織が正常の限界を超えて引き伸ばされたり、部分的な断裂を起こします。
むち打ち損傷のメカニズムはこのようになっています。
むち打ち損傷が起こるためには車が前方へ移動し、頚部が過伸屈状態になる「むち打ち運動」があることが前提となります。
このことから追突された車に前方移動が無い場合は、むち打ち運動は起こり得ないからむち打ち損傷は起こらないとの見解があります。
そこで、衝撃の程度の目安として追突を受けた時の車が前方へ移動した距離が注目されます。
追突され、むち打ち損傷を受けた方はご自身の車がどれほど前方移動したのかということも注目してください。もし、前方移動がなければ反証がない限り、頚部への衝撃が否定されることになるので要注意です。
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