意外な注目点 2015.02.12
後遺障害の等級認定は症状固定時の症状だけでなく受傷から症状固定までの治療内容も勘案されて審査を行うため、後遺障害診断書の他に診断書(経過診断書)、診療報酬明細書の提出も求められます。
後遺障害の相談をお受けするとき、特に異議申立の相談の際に私がひっそりとチェックする項目があります。
それが、経過診断書の「後遺障害の有無」の欄です。
明らかな後遺障害が存在していれば「あり」となるのですが、むち打ちなどの神経症状の場合は通常は「未定」になっていることが多いです。
たまに、むち打ち等の神経症状で「あり」になっていることがあります。
そして、反対に「なし」となっていることもあります。
正直、ここに書いてある内容で結果は左右されることはほとんどありません。
「あり」となっていても非該当となることもあれば「なし」となっている場合でも認定されることはよくあります。
ではなぜここをチェックするのか。
それは主治医が被害者の症状を後遺症と捉えているかどうかを伺うためです。
異議申立をする場合には主治医の協力は必至です。
結果を覆すために主治医に医証を書いてもらうことが多々あります。
長く通院しているのに「後遺障害 なし」と書いていて、後遺障害診断書は書いているというのは、自賠責の後遺障害認定に対して見識が無いか、患者に対して詐病を疑っている可能性があります。
前者であれば自賠責の後遺障害認定について説明すればなんとかなる場合があるのですが、後者であれば医証の作成に協力は得られないことになってしまいます。
どちらにしても、医師と面談したり医証のお願いをする場合には十分な準備が必要になります。
逆に「後遺障害 あり」と書いてもらっていれば協力が得られやすいということが多いです。
このように認定と直接関係のないところもチェックをして、よりスムーズに認定を受けられるよう動くことが結果に関わってきます。
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