後遺症の慰謝料 2014.11.20
交通事故のケガにより後遺症が残った場合にはその程度に応じて精神的苦痛を慰謝するものとして後遺障害慰謝料が認められます。
後遺障害慰謝料は、後遺した障害だけを評価しているものではなく、その等級を指標として、症状固定後の損害とは認められない治療費なども斟酌したものとして評価されていると考えられています。
裁判では後遺障害の内容などによってて金額は適正妥当なものと判断された金額を認定することになりますが、概ね裁判基準に従った判断がなされています。
任意保険会社は任意保険会社の基準に従い提示、支払いがなされます。
任意保険会社の基準と裁判基準にかなりの差があります。
・裁判基準(赤い本2014上巻 158P)
- 第1級 2800万円
- 第2級 2370万円
- 第3級 1990万円
- 第4級 1670万円
- 第5級 1400万円
- 第6級 1180万円
- 第7級 1000万円
- 第8級 830万円
- 第9級 690万円
- 第10級 550万円
- 第11級 420万円
- 第12級 290万円
- 第13級 180万円
- 第14級 110万円
・任意保険基準(自動車保険の解説2012 412P※)
- 第1級 1600万円
- 第2級 1300万円
- 第3級 1100万円
- 第4級 900万円
- 第5級 750万円
- 第6級 600万円
- 第7級 500万円
- 第8級 400万円
- 第9級 300万円
- 第10級 200万円
- 第11級 150万円
- 第12級 100万円
- 第13級 60万円
- 第14級 40万円
※この基準は人身傷害保険の支払い基準です。実務上、事案に応じてこの基準を準用して額を増減させて支払い額を決定しています。
後遺症の損害は後遺障害慰謝料とは別に逸失利益があります。
そちらは認定された等級だけでなく被害者の年齢、収入などから算出されます。
自賠責保険基準は後遺障害慰謝料と逸失利益の合計額を限度額として設定しています。
(例:後遺障害14級限度額 75万円→32万円(後遺障害慰謝料)+43万円(逸失利益))
この額よりも実際の損害が大きければ上積み分を相手方任意保険会社が支払うことになります。
裁判基準と任意保険の基準に大きな差額があるので後遺障害が認定された場合は専門家への相談をおすすめします。
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