異議申立のむずかしさ 2014.07.30
最近の解決事例を少しご紹介したいと思います。
同じような状況でお困りの方の参考になれば幸いです。
相談者 20代男性 Aさん
事故状況 バイクで走行中、車線変更してきた大型トラックと接触、転倒
傷病名 左距骨外側突起骨折
相談内容
事前認定で後遺障害の申請をして14級9号の認定だった。
色々調べてみると12級13号の可能性があることがわかり、認定に納得がいなかったので自分で異議申立をした。
しかし、認定結果が覆ることはなかった。
異議申立で結果を覆すことができるか教えてほしい。
できる可能性があるならお願いしたい。
というご相談。
診断書、診療報酬明細書、後遺障害診断書、等級認定理由書、異議申立書、画像などを精査してみました。
このようにご自身で異議申立をされた方が作成した異議申立書でよく見るのが、
「とにかく納得ができない、こんな痛みが今もある、仕事や日常生活でこんなに困っている」
という、懇々と主観的な訴えを綴っているものなんです。
中には恨み節満載のものもあります。
しかし、相談者Aさんの異議申立書の内容はきちんと論理立てて文章が構成されており、医師から医証を取付け、新たなMRIの画像も添付されていました。
それでも等級は覆りませんでした。
Aさんご自身でされた異議申立の方法自体に間違いはなかったのですが、異議申立の要旨が少しずれていました。
私は資料を精査し、Aさんの訴える症状で違う部分を立証することができれば異議申立で覆る可能性があると判断し、受任しました。
そして、主治医のもとへ同行し症状の詳しい説明を聞きました。
その内容が私の考えていたものと一致したので、以前書いてもらった医証より突っ込んだ内容での意見書の作成を依頼し、再度MRIの撮影をお願いしました。
(比較するためにケガをした左足だけでなく右足も撮影してもらいました。)
意見書の内容を基に異議申立書を作成。
無事12級13号の認定を受けることができました。
後遺障害の等級は、必ずしも症状と一致する認定を受けられるとは限りません。
等級が認定されるためには、申請者がきちんと認定の基準を把握し、その基準を満たしていることを証明する証拠を添えて異議を申し立てること。
それができなければ、認定されることは大変難しいのです。
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