新連載「そのお金、本当にもらえませんか?」 2014.05.09
新たな試みを。
現在進行形で私が携わっている、とある事故事案について書いてみたいと思います。
もし、このブログを見てくれた方の中で、同じような状況にあってしまっている人の参考になればと思います
尚、まだ終結しておらず、場合によっては途中で書くことをやめることになるかもしれませんのであしからず。
第1話 事故発生
被害者は4歳の男の子(仮名:コウくん)。
住んでいるマンションの駐車場内での事故だった。
事故発生時刻はあたりが暗くなりかけている午後7時前。
家族で車に乗って外食から帰ってきて、契約している駐車スペースに車を停めた。
わんぱくざかりのコウくんは自らの手でドアを開けて車から駆け降り、両親の制止を振り切って駐車場からエレベーターのあるエントランスに駆けていった。
両親の呼びとめる声に首だけ後ろを振り向くような形でいたずらな笑みを見せながら走っていた。
そのとき、駐車場内の歩行者用通路部分に荷物の積み下ろしをする為に、同じマンションの住人の車が停車していた。
ハッチバック式のステーションワゴンでトランクを開けた状態だった。
普段は停まっていない場所に停車している車にまったく気付かないまま顔だけ後ろ向きで走るコウくん。
両親が「あぶない!!」と、声をあげると、彼は反射的に前を向き、そのまま顔面から車体にぶつかった。
「頭蓋骨が割れたんじゃないかと思う程すごい音だった」という。
ぶつかった勢いで後ろに倒れこんだコウくんに、両親が急いで駆け寄ると、額から大変な出血がみられた。
救急車を呼ぶか一瞬迷ったが、急いで車に乗せ近くの外科に行くことにした。
目の前で見ていた車の所有者である住人もどうしたらいいか軽くパニックになっていた。
結果、5針を縫う大けがだった。
医師はおそらく痕が残るだろうとのこと。
両親は、停まっていた車にぶつかっていったのだから自分たちが完全に悪いと認識していた。
さらに言えば、子どもから一瞬でも目を離した私達が悪いと・・・。
傷は、額の真中のとても目立つ位置に縦に3センチほど走っている。
どれだけ費用がかかったとしても、傷あとが残らないよう治療を受けさせなければと、両親は強く思った。
その時、父親がボソッとつぶやく。
「自動車保険は使えないものかな?」
つづく
≫ 一覧へ戻る