交通事故コラム

事故直後に謝ってはいけないというのは本当か!? 2014.04.19

「交通事故にあったら謝ってはいけない」

このような話を聞いたことがありませんか?

「謝ること(自分が悪いと認めること)で過失割合(自分に非がどれだけあるか)が増えて多額の賠償金を払わなければならなくなる」
これは本当なんでしょうか。

いいえ、これは間違いです。

今まで数えきれないほど過失割合でもめているケースを見てきましたが、「事故時に謝った」という理由で過失割合が増減したというケースに出くわしたことがありません。

まず、自分が任意保険に入っていれば賠償については保険会社が全て行います。
後から
「事故現場で謝罪もしなかった!」
「誠意が全く感じられなかった!」
と被害者から恨まれるリスクを考えれば、自分に過失があるかどうか判断できなかったとしても、謝っておいた方が得策です。

長期間争いになっている事案については「加害者の誠意が感じられない」というフレーズをよく耳にします。
事故直後からきちんと謝罪の姿勢をみることで、被害者も「穏便に事を済まそう」という気持ちになり、結果、早期解決となるでしょう。

ただ1点気を付けなければならないことがあります。

警察の実況見分では事故状況について相手をかばうようなことを言ってはならない。
ということ。
実況見分では、自分の見た(感じた)正確な状況を伝えることが大切です。


似たような話ですが、
事故直後に被害者から「私が100%悪いです」や「治療費全額負担します」といった類の念書にサインをしろ!を迫られたのでサインをした。
あら大変。サインしたらその内容をすべて守らなければならないよ。

こちらについても、間違いです。

この念書には、まったく意味がありません。
正確に言うと、まったく意味がない「ことが多い」です。

「気が動転していて意味もわからず脅かされて書いたので無効だ!」
と主張できます。
そして、その主張は認められることがほとんどです。

しかし、ここでも注意点がひとつ。

事故の目撃者もいない、証拠になるものが何もない場合。
事故状況について双方の主張が食い違ってきた場合には、相手がその念書を証拠として使い、その時にこちらが立証できない場合には、その念書が証拠として採用されてしまう恐れがあります。

「あら大変。サインしたらその内容をすべて守らなければならないよ。」
というのは間違いですが、事故直後にそういった文書にはサインしてはいけませんね。

結論

追突された場合や、完全に停車しているところに衝突された場合など、自分に全く非がないと思う状況では謝る必要はないが、 基本的には相手を気遣い、ケガを負っている場合に謝ろう。
でも、その場で示談書や念書などの書面にサインをしてはダメ!

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