画像上の異常所見 2016.03.10
後遺障害の認定において、画像上で異常が確認できるか否かが大きなポイントになります。
「画像」とは一般的にレントゲン、CT、MRI等の事です。
主治医が症状固定時に自覚症状と整合性のある画像上の異常を確認した場合には、診断書にその旨を記載してもらう必要があります。
医師が画像上の異常所見を指摘してくれなければ審査の土台にのることができません。
審査機関が勝手に画像から異常を読み取って認定してくれるということはありません。
(地方の方で主治医が否定した画像上の異常所見を調査事務所が認定してくれたという話を聞いたことがありますが、私や私の周りの案件でそのような取り扱いをしてもらったというケースにあたったことはありません)
主治医に診断書へ所見を記載してもらって申請した場合でも、認められないことがあります。
画像所見を否定される場合には、画像上で異常所見は確認できるが事故によるものではなく年齢によるもの(経年性)と判断されたり、そもそも画像を見てもどこに異常があるのかわからないというケース等が挙げられます。
理由書には否定する理由を詳細に書かれていることはほとんどなく、「画像上判然としない」といった簡単な文章で回答がきます。
画像の読影は大変難しく、特にMRI画像は、医師(整形外科医)でも読影ができないという人は珍しくありません。
インターネット上で「画像読影が得意です!」という行政書士の方々を目にしますが、私には自信を持って画像が読めますとは到底言えません。
当然、依頼者様の画像は確認します。
それは、受傷時から症状固定時までの推移を確認したり、画像を見て依頼者が訴えている症状と影響が有りそうな部位を、医学書等と見比べて少しでもおかしいかなという点を主治医に質問するためです。
(主治医がわからないといえば放射線科医へ画像鑑定をかけることもあります。)
審査機関と主治医との間で見解の相違が生じているが、どこの部分に異常がある・ないと分かれているのか理解できず、頭越しに展開されてしまうと異議を申し立てることも難しくなります。
後遺障害の申請に当たって、医師が画像上で異常があると言った場合に、実際に画像を見ながら説明を受けておくことがとても重要な工程であると思っています。
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