交通事故コラム

症状固定後の通院の重要性 2016.03.03

最近結果が出た事案のお話です。

赤信号停車中に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫のケガを負い、左上肢に強いしびれを残して症状固定した被害者の方から後遺障害のご依頼を受けました。
画像所見と自覚症状から14級が認定される可能性が高く、12級の可能性も考えられたのですが、最終的に神経学的検査でそれほど有意な所見が得られなかったため、12級は難しいと判断し、申請を行いました。

帰ってきた結果は非該当でした。

これまでの経験上、治療経過や各種所見等を総合的に判断して14級が否定される材料が一つも思いつかなかったのでとてもびっくりしました。
すぐに異議申立の手続きに移りました。

前回提出したMRI画像より、解像度の高いMRIを撮影し、上肢の痺れを証明すべく神経内科の専門医のもとへ行き、筋電図検査を受けました。
しかし、期待するような検査結果はでませんでした。

主治医に改めて意見書を書いてもらい、日常生活や労務上での支障を事細かに書いた陳述書を付け、前回申請後に通院した領収書を添付して申請しました。

結果、等級が変更され14級9号が認定されました。
認定理由書には初回申請の時と同じく、「所見が乏しく障害が証明されたものと捉える事は困難」と書かれ、その後に「しかしながら、症状固定後の治療が認められ、これらの治療状況等を勘案すれば14級9号に該当するものと判断する」とありました。

以上から、異議申立において、14級9号が認定されるには、他覚的所見が得られることと同じくらい症状固定後の治療が重要視されていると改めて痛感しました。

交通事故により神経症状が残存したにもかかわらず、後遺障害が否定された方で、症状固定後も通院を続けている場合には異議申立を検討してみてはいかがでしょうか。

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