交通事故コラム

後遺障害14級や非該当理由の検討 2013.11.07

後遺障害に非該当となる場合、理由は下記の例が多く見られます。

「提出の画像上、本件事故による骨折等の器質的損傷は認められず、その他診断書等からも症状を裏付ける他覚的所見は認め難いことから、他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えることは困難であり、その他症状経過、治療状況等も勘案した結果、将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難いことから、自賠責保険における後遺障害には該当しないものと判断します。」

また、後遺障害の12級に該当しない場合の理由は、次のような例が多くみられます。

「提出の画像上、骨折部の骨癒合は良好であり、他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられませんが、症状及び治療経過等を勘案すると、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから、「局部に神経症状を残すもの」として別表第二14級9号に該当するものと判断します。」

労災補償の「障害認定必携」には、障害補償の意義として、次のように説明しています。

「障害補償は、障害による労働能力のそう失に対する損失てん補を目的とするものである。したがって、負傷又は疾病(以下「傷病」という)がなおったときに残存する当該傷病と相当因果関係を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的又は身体的なき損状態(以下「障害」という)であって、その存在が医学的に認められ、労働能力のそう失を伴うものを障害補償の対象としているものである。」

つまり、14級にしろ、それ以上の等級にしろ、等級の認定を受けるには、この障害補償の説明に合致していることが求められていると考えられます。

上記の非該当理由から推測すると、画像上もその他診断書等からも他覚的な証明がなく、症状経過や治療状況からも将来に回復しないだろうという障害の存在が医学的に認められないから非該当ですと判断されているものと解されます。
また、12級に該当しない理由(14級どまり)から推測すると、画像上骨折は認められても、うまく癒合しているとか、画像上その異常が判然としない(画像上はっきり写っていない)から該当しないと言っていると解されます。
しかし、症状や治療経過等を勘案し、14級には認定するとの判断です。
つまり、12級は画像上の異常所見等の証明が必須と考えられます。(骨折しても良好に癒合していれば、画像上で骨折の事実が確認されても、12級認定の可能性は少ないと考えられます)

上記から、14級や12級の認定は、医学的な説明や証明が保険会社(調査を委託されている損害保険料率算出機構)によって、認められなければ認定されないことになります。

等級認定のカギは、労災補償の「障害認定必携」の基準に沿った、後遺障害診断書の記載内容と、初診時から治療を中止時(症状固定時)等の症状と治療経過、他覚的所見(神経学的異常所見や画像上の異常所見)であるといえるでしょう。

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