後遺障害の基礎知識

後遺障害ってなんだろう

交通事故における後遺障害とは
交通事故が原因で後遺症が残ってしまっている状態 のことをいいます。

一定期間病院に通っていると、医師から「これ以上治療を続けても効果がない」と言われてしまうことがあります。

  • まだ痛みが続いている
  • 事故の傷跡が残ってしまっている
  • 事故に遭う前と同じように体が動かせなくなった

そんな時は、後遺障害が認められる可能性があります。後遺障害が認められるか認められないかで、保険会社から支払われる金額は大きく変わります。

後遺障害に関係なく、事故から症状固定までの賠償金は支払われますが(傷害分)、後遺障害が認められると傷害分とは別にお金が支払われます。
では、どれくらい金額が変わるのか見てみましょう。

後遺障害の損害について知っておこう
後遺障害の損害=慰謝料+逸失利益

後遺障害の損害とは、慰謝料と逸失利益の合計です。
簡単に言うと、慰謝料とは精神的な損害に対してもらえる「お金」、逸失利益とはその障害が無かったら手に入れていたであろう「お金」』の事です。

後遺障害慰謝料の基準

慰謝料を算出する場合には、3つの基準を用います。

等級 自賠責保険基準
(逸失利益を含む限度額)
任意保険基準
※保険会社によって多少異なる
裁判基準
1級 1100万円
(3000万円)
1600万円 2800万円
2級 958万円
(2590万円)
1300万円 2370万円
3級 829万円
(2219万円)
1100万円 1990万円
4級 712万円
(1889万円)
900万円 1670万円
5級 599万円
(1574万円)
750万円 1400万円
6級 498万円
(1296万円)
600万円 1180万円
7級 409万円
(1051万円)
500万円 1000万円
8級 324万円
(819万円)
400万円 830万円
9級 245万円
(616万円)
300万円 690万円
10級 187万円
(461万円)
200万円 550万円
11級 135万円
(331万円)
150万円 420万円
12級 93万円
(224万円)
100万円 290万円
13級 57万円
(139万円)
60万円 180万円
14級 32万円
(75万円)
40万円 110万円

この3つの基準のどれかを用いて、慰謝料の額は決定します。
自賠責基準<任意保険基準<裁判基準
の順に金額が大きくなっているのがわかると思います。できることならもっとも高い裁判基準で支払ってもらいたいですよね。
さらに、後遺障害の等級が認められるか認められないかで賠償金は大きく変わってきます。認められても、等級が1つ違うだけで賠償金は何百万円も変わってくるのです。

しかし、保険会社はあなたにとってもっとも有益な示談ができるように働きかけてはくれません。適正な賠償金を獲得するには、あなたが行動しなければならないのです。

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逸失利益

逸失利益は、被害者の年齢や年収等によって異なります。
逸失利益は 年収×喪失率×喪失期間 で計算します。

  • 喪失率…等級によって決まっている
  • 喪失期間…原則、症状固定日から就労可能期間(基準では67歳)までの年数
    ※1 神経症状(ムチウチ等)は症状に応じた別の考え方がある
       →例・14級9号…3年~5年、12級13号…7年~10年
    ※2 55歳以上の者は計算方法が変わる

喪失率表

等級 1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級
喪失率 100% 100% 100% 92% 79% 67% 56%
等級 8級 9級 10級 11級 12級 13級 14級
喪失率 45% 35% 27% 20% 14% 9% 5%

後遺障害が認定された示談金の例

ケース1・一定角度以上ひざが曲がらなくなった35歳会社員・年収500万円の場合

例1・保険会社に任せて後遺障害が認定されなかった

示談額…慰謝料や交通費など(傷害分)

=およそ70万円

例2・保険会社に任せて等級12級7号が認定された

示談額…
100万円(後遺障害慰謝料・任意保険基準)+約980万(逸失利益)+約70万円(傷害分)

=およそ1,150万円
※保険会社は定年である60歳までを就労期間として逸失利益を算出してきた

例3・行政書士などの専門家に依頼して等級12級7号が認定された

示談額…
290万円(後遺障害慰謝料・裁判基準)+約1150万円(逸失利益)+約125万円(傷害分)

=およそ1,565万円
※就労可能期間は67歳として算出

休業損害がある場合は、上記の金額にプラスされます。

ケース1・一定角度以上肘が曲がらなくなった30歳主婦・年収0円の場合

例1・保険会社に任せて後遺障害が認定されなかった

示談額…慰謝料や交通費など(傷害分)+休業損害(+α)

=およそ70万円+α

例2・保険会社に任せて等級12級6号が認定された

示談額…
224万円(後遺障害の損害分)+約70万円(傷害分)+休業損害(+α)

=およそ294万円+α
※保険会社は定年である60歳までを就労期間として逸失利益を算出してきた

例3・行政書士などの専門家に依頼して等級12級6号が認定された

示談額…
290万円(後遺障害慰謝料・裁判基準)+約850万円(逸失利益)+約125万円(傷害分)+休業損害(+α)

=およそ1,265万円+α

主婦の休業損害は、通院1日につき5,700円もらえます。

ケース3・ムチウチ症になった35歳会社員・年収500万円の場合

例1・保険会社に任せて後遺障害が認定されなかった

示談額…慰謝料や交通費など(傷害分)

=およそ70万円

例2・保険会社に任せて等級14級9号が認定された

示談額…
40万円(後遺障害慰謝料・任意保険基準)+約46万(逸失利益)+約70万円(傷害分)

=およそ156万円
※保険会社は自賠責保険の限度額を提示してきた

例3・行政書士などの専門家に依頼して等級14級9号が認定された

示談額…
110万円(後遺障害慰謝料・裁判基準)+約100万円(逸失利益)+約125万円(傷害分)

=およそ335万円

休業損害がある場合は、上記の金額にプラスされます。

その示談書、一度当事務所にお見せください

上の例を見てもわかるように、保険会社は最低限の金額で示談をしようとします。
しかし、被害者であるあなたが提示額を見て適正な金額かどうか判断するのは難しいと思います。これが適正だと思ってしまうこともあるでしょう。
専門家に相談してみることで、一番いい結果につながる糸口が見つかると思います。
当事務所は、お客様が最善の結果を得られるようお手伝いをいたします。まずは相談の窓口として、当事務所をご利用ください。

※当事務所では弁護士法72条にて禁止されている法律行為及び示談交渉等の行為は一切行いません。

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