交通事故コラム

蓋然性? 2015.12.11

自賠責保険の支払い基準の、逸失利益の箇所をみると、
「逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額に該当等級の労働能力喪失率と後遺障害確定時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数を乗じて算出した額とする。ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない」
とあります。

日弁連交通事故相談センター発行の「損害賠償額算定基準(通称 赤い本)」の後遺症逸失利益にも、
「逸失利益算定の基礎となる収入は、原則として事故前の現実収入を基礎とするが、将来、現実収入額以上の収入を得られる立証があれば、その金額が基礎収入となる。なお、現実収入額が賃金センサスの平均賃金を下回っていても、将来、平均賃金程度の収入が得られる蓋然性があれば、平均賃金を基礎収入として算定すればよい」
とあります。

逸失利益とは、その後遺症がなければ将来得られていたであろう利益の事です。
逸失利益は、収入に後遺症の程度、後遺症の影響期間を乗じて算定されます。
収入は、実際の収入もしくは平均賃金を用います。
実際の収入であれば問題は無いのですが、平均賃金を用いる場合には「蓋然性」が認められなけれ、平均賃金を用いることができないとなっています。

この「蓋然性」とはどういう意味なのかを調べてみました。

がいぜん‐せい【蓋然性】(probability)
ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が真実として認められる確実性の度合い。確からしさ。これを数量化したものが確率。

いまいちわかりません。。

似たような言葉で「可能性」という言葉があります。

かのう‐せい【可能性】(possibility)
1 物事が実現できる見込み。
2 事実がそうである見込み。
3 潜在的な発展性。
4 認識論で、ある命題が論理的に矛盾を含んでいないという側面を示す様態。

[使い分け]
【1】「可能性」は、将来の見込みについていう以外に、「この本は彼も持っている可能性がある」のように、現在そうである確率をいうこともある。また、「自分の可能性を試す」「無限の可能性を秘める」のように、どこまで実現できるか未確定である要素の意もある。
【2】「蓋然性」は、本来、哲学用語で、可能性の程度、確からしさをいう。文章語。

いまいち蓋然性という概念を理解できていないのですが、上記基準に照らすと、「平均賃金が得られる可能性がある」という場合には、実現不可能ではないという意味で、「平均賃金が得られる蓋然性がある」という場合には、実現しうる見込みが高い(確からしい)という意味と認識しています。
例えば、事故時に無職で収入がない被害者であっても、被害者の年齢、その前の職歴や、学歴、保有する資格などから、平均賃金程度の収入が得られることが見込まれていれば蓋然性が高いと判断でき、事故時に既に高齢で仕事に復帰できる確率が低い場合や、復帰できたとしても平均賃金程度の収入が得られる確率が低い場合には蓋然性が認められないと言えるのでしょうか。

なかなか耳馴染みのない「蓋然性」という言葉ですが、もう少し調べてみたいと思います。

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