交通事故コラム

骨端線損傷 2015.10.01

小学校4年生の男の子が道路を横断しようとしていたところ、四輪自動車と接触し、脛骨と腓骨を骨折したという御相談を受けました。
診断書を見せてもらうと「脛骨骨端線離開」という傷病名が付いていました。

画像1

上記の画像で、太いほうの骨が脛骨で細いほうの骨が腓骨です。
どちらも下の端(遠位端)に黒い線が入っています。
これが骨端線です。

この部分は軟骨なので、レントゲンでは写らないためこのようにみえます。

この軟骨部分が成長して成人の骨へと変化していきます。
大人になり成長が止まるとこの線は消失します。

高いところから落ちたり、今回の交通事故のようにこの部分に外力が加わり損傷してしまうと厄介な事になります。

骨端線に損傷を負ってしまうと、骨端線の早期閉鎖の恐れが生じます。
骨端線の早期閉鎖となると成人の骨になる前に成長が止ってしまいます。
脛骨だけが閉鎖してしまい、腓骨だけが成長を続ければ成長と共に足関節が内反変形を起こしてしまいます。
両方が閉鎖した場合でも、ケガを負っていない方の足は成長を続けますので、左右の足の長さに差が生じてしまいます。

子どもの回復力はすさまじいので、骨癒合自体はすぐに得られますが、骨折が骨端線にまで及んでいる場合には症状固定を焦ってすることはやめた方がいいでしょう。

今回ご相談をうけている事案も、現在の経過は順調ですが、もう少し様子を見てから症状固定となりそうです。

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