交通事故コラム

むち打ちで入院は必要か? 2015.07.02

交通事故に遭い、首がいたくなり(むち打ち症)病院にいったら入院を勧められ、症状固定後に自賠責が入院費用は因果関係が認められないため支払い拒否されたという相談を受けました。

そもそもむち打ちで入院は必要あるのでしょうか?
臨床医学の常識では、入院はどういう時に必要なのかといいますと、外来診療では不可能な「厳重安静が必要な場合」と、外来診療では不可能な「特殊で濃厚で集中的な治療が必要な場合」と考えられています。
このような条件に照らし合わせるとむち打ちの場合で、入院が適用となるケースは、そうそうないはずです。

むち打ちの治療においては受傷直後の急性期には安静が必要といわれていますので、様々な事情で安静が難しいという被害者にとっては入院させた方が、より早く治ると考え入院させる病院もあります。
これは間違った理屈ではありません。
しかし、入院する期間が長期間になるとつじつまが合わなくなってしまいます。

むち打ち損傷の急性期は1週間から長くて3週間程度といわれています。
これ以上長期の入院であれば、入院の必要性が感じられず、保険会社や調査事務所から医療調査が入ります。

これに対し、病院側が納得のできる回答をしなければ保険や賠償金の支払い対象とはならないと判断しても仕方がありません。
ごく一握りでありますが営利目的といった要因で、むち打ち損傷など比較的軽微な患者を長期間入院させる病院があるそうです。
病院としては健保の何倍かの診療費をとれますし、被害者にとってもゆっくり休めて、金はかからないし、休業補償が出るので不満はありません。

そういった病院の判断で最終的に被害者が泣きをみるということがあるので、むち打ちで入院を勧められた場合には注意が必要でしょう。

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