交通事故コラム

病院選び 2015.06.12

先日、後遺障害に関するご相談を受けました。

相談の内容は、事前認定で非該当になったが異議申立の余地はあるか聞いてみたいというものでした。
診断書や、診療報酬明細書、後遺障害診断書、非該当の理由書、事故車両の写真・修理見積もり書などをご用意いただき資料を精査させてもらいました。

非該当にはなっていますが、事故の全体像や、御相談者様の自覚症状、通院実績などから14級の可能性はゼロではないと感じました。
しかし、ご依頼をお受けするには、未実施の検査が多くあり、それらを受けてもらったうえで、依頼をするか検討した方がいいとお伝えし、通院先の医師に検査をお願いしてみますということでお帰りになりました。

後日、再度ご連絡がありもう一度相談に乗ってほしいとのことでしたので、来所いただきお話しを聞いてみると、主治医に「あなたは後遺障害が認定されるようなひどいケガじゃないよ。検査したり診断書費用は誰が持つの?弁護士や行政書士はお金が欲しいから焚きつけてるだけでだまされないようにね」と言われ、不安になったといいます。

この被害者の方は車両の損害が100万円近い大きな衝撃をうけた事故でした。
事故直後から腰の痛みを訴え8カ月治療を続けるも痛みが消退することなく症状固定を迎えていました。

診断書や診療報酬明細書、ご本人のお話から、この病院の医師は受傷直後から8カ月間ずっと同じ治療を続け(電気、ホットパックなどの対処療法)、受傷から半年経っても症状が治まらない不安を打ち明け、精密検査などしてもらえないかと聞いても、「みんなそんなもんだよ。MRIなんてとったら古傷とか写っちゃって不利になるから、うちの患者さんはMRIを撮らせないようにしてる」といい、一向に治療内容は変わらなかったそうです。

最終的に症状固定となり、後遺障害診断書を書いてくださいとお願いすると、「骨が折れて曲がってくっついても後遺障害が認められないこともあるし、あなたのケガではたぶん無理だよ。どうしても書いてくれって言うなら書くけど」といわれ、出来上がった後遺障害診断書には異常なしということしか書かれていませんでした。(ご丁寧に自覚症状欄には運動時痛と書いてあった)

御相談者様には、後遺障害の認定基準、今回の事故で異議申立をする場合において必要な手続き、ご依頼をいただく際に係るリスク(費用面)を具体的にしっかりと説明し、納得してもらいました。

こういった考えを持った医師のもとで、賠償の絡む治療は絶対にしてはいけません。
今後、この病院に通っている被害者の方から相談が来たら転院を勧めようと思いました。

≫ 一覧へ戻る

メール相談お気軽に
メールフォームへ
トップへ戻る