交通事故コラム

まだ治ってないのに・・・ 2015.03.27

交通事故でけがをして、治療を続けていると、まだ治っていないのに相手方保険会社から「そろそろ症状固定とさせていただきたい」と打診がくることがあります。

症状固定してしまうと、その後の治療費や傷害慰謝料などの損害については、補償はされません。
後遺障害の申請をし、認定された場合には後遺障害の損害として補償を受け、治療費などにあてます。

主治医に相談してみると「まだ治療の必要性がある」と答えているのに保険会社側から一方的に打ち切られることがあります。

これは不当な行為なのでしょうか。

症状固定であるか否かについては主治医の判断は尊重されるべきではありますが、症状固定という概念は、症状が固定した状態にあるか否かを客観的事実をふまえて、傷害の補償とすべきか後遺障害の補償の問題に移行すべきであるかの法的概念です。

症状固定は医師が決めるものではありません。
保険会社が独自に症状固定状態と判断することは賠償的観点からみれば許される行為です。
症状固定時期について争いが生じた場合は、最終的に裁判所が判断します。

医師の診断書よりもはるかに以前の時期を症状固定と認定した裁判例は数多く出されており、症状固定時期をめぐって、裁判で争いになった時に、症状固定の概念を理解していない医師の判断の為に痛い目をみる可能性があるので要注意です。
とはいえ、保険会社もよほどの事情が無ければ、医師がまだ治療の必要性があると明言しているのに治療を打ち切るということはほとんどありません。
主治医に対して照会をかけ、医師が明確な回答を返さない場合や、症状固定について誤った認識をもっている場合には打ち切りという手段に出ます。

最近は整骨院での治療において、特に精査せずに無理やり治療を打ち切られるというケースが目立ちます。

整骨院で治療をされている方で、打ち切りを打診され、柔道整復師が、まだ治療の必要性があるという場合には、その理由と、症状固定の概念をしっかりと確認しておいた方がいいでしょう。

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