交通事故コラム

連載 最終回「保険金の行方」 2014.07.18

「結果が出たんですね。どうでしたか?」

「有責という結果がきました。」

「有責というのはどういう意味ですか?」

「保険で治療を行えるという意味です。」

コウくんの父親は正直驚いた。
なぜならば、一番最初に聞いたときはハッキリ「使えません」と言われたからだ。

「本当ですか!?」

「はい。自賠責調査事務所から届いた理由書を送付しますのでご確認ください。」

「ありがとうございます!」

その後、コウくんの通院先の情報を伝え、今後の保険での治療について簡単にやり取りして電話を切った。

保険会社から届いた理由書には以下のように書かれていた。

・相手方の自動車は当該装置の用い方に従い用いて荷降ろしを行っている際の事故なので運行にあたる
・非常灯の点灯等の措置もせず通路前の駐車区画外に停車していたことから固有の危険が具体化、顕在化したものと判断。運行と事故発生に相当因果関係が認められる。

後日、私のもとにコウくんの父親が連絡してきた。

「おまえの言うとおりにしたら保険が使えることになったよ!」

「そうか!よかったな。コウくんの傷跡がきれいに消えるといいな。」

「ああ。また今度飲みに行こう!」・・・

担当者のフグ田さんは、最初に保険が使えないと伝えたことを申し訳なかったと言ったそうだ。
コウくんの父親はとても親身に対応してくれたフグ田さんに感謝していたし、咎めるつもりなど毛頭ないだろう。

しかし私に今回の件を話してくれなければ、きっと言われるがまま諦めていた。

保険の仕組みはとても複雑だ。
似たようなケースでも、必ず保険が使えるかといえば、そうではない。
保険会社の人間でもいまいち理解できていないということが多々ある。
交通事故とは全く無関係な生活を送っている一般の人たちであればなおのことである。

こうしてコウくんは自動車保険でしっかり治療を受けることができるようになった。

彼の傷がきれいに消えることを、切に願う。

※この連載は事実に基づくフィクションです。
同じような事故があっても、必ず保険が使えるとは限りません。
しかし、どんな時に補償が受けられるのか、支払っている保険料に見合った補償を受けるためにアンテナを立てておく必要があるでしょう。

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