交通事故コラム

いちかばちか! 2014.04.04

交通事故で相手方と折り合いがつかない場合には、交通事故紛争処理センターの利用が効果的です。
公益財団法人交通事故紛争処理センター
福岡は天神アクロス福岡の隣のビルにあります。

費用はかからず、中立公正な立場で担当の弁護士が双方の話を詳しく聞き、和解のあっ旋をしてくれます。
あっ旋案に納得できなければセンターの嘱託弁護士等が裁定を出してくれます。

被害者はこれに拘束されませんが、保険会社は拘束される為、被害者にとって有益な解決が図れることになります。(裁判による解決へ移行)
裁判基準に近いところであっ旋案をだしてくれること多いので、損保会社の提示額よりも増額して解決することがほとんどです。

ここまで読み返してみると紛争処理センターの宣伝かっ!って感じですね(笑)

利用に際しての注意点も挙げておきます。

紛争処理センターはあくまで中立公正な機関です。
まちがった主張をしても認められませんし、相手方がしてきた主張に対して反論できなければ保険会社寄りのあっ旋案が出ることも当然にあります。

真っ向から主張が割れるような事案や、無理筋な主張を通したいときは専門家に相談した方が良いでしょう。

解決に向けて、一番大きな要素は担当した弁護士の腕です。
交通事故紛争を解決できるだけの能力(損害算定論、責任論、保険本質論、保険技術論、賠償医療論など)が足りていない残念な弁護士もたくさんいます。
どっちつかずのあっ旋案を出されて、根拠を尋ねると、双方の主張のちょうど真ん中の額と答える人や、あっ旋案を文書で求めたら数カ月かかって、やっと発行してもらった文書が根拠を一切書いていないもの(数字だけ)だったり・・・
他にも不合理なものや論理的とは言えないあっ旋案を出される例もたくさん聞いております。

なぜそのようなことになるのかを考えると、司法試験という法律系最難関試験を突破されている方々なので、根本的な能力が欠けているということは考えにくく、おそらく専門分野が他にあり、交通事故に関する知識だけがない弁護士が嘱託として入っている為だと思われます。

以前、むち打ちによる後遺症に悩まれ、当事務所で後遺障害申請のご依頼を受けた被害者の方がいらっしゃいました。

他覚的所見(画像所見や神経学的異常所見など)がなく、通院先も整骨院が主だったこともあり、認定された等級は14級9号でした。

その後、相手方損保と折り合いがつかず、その方は紛争処理センターに申立をされました。
争いとなったのは慰謝料と後遺障害逸失利益(後遺症が原因で得られなくなった収入等)です。

むち打ちでの14級では逸失利益は喪失期間(後遺症が仕事に影響する期間)を2年から5年で計算されます。
損保会社は2年又は3年で提示してくることがほとんどです。
弁護士が介入したり、裁判によってでないと5年で認めさせることはかなり難しいです。

その方は、症状が長期化していること等から喪失期間5年で担当弁護士に主張しました。
その主張を受けた相手方損保会社はこのように反論してきました。

「後遺障害14級9号の認定がされていますが、MRI撮影を含めた精密検査において他覚的所見は認められておらず、自覚症状が主訴であります。そして長期にわたって鍼灸整骨院に通院されており、その治療経過から自覚症状が強く認められることから同等級に認定されております。通常本件のような状況では、労働能力喪失機関は2~5年で勘案されることが一般的です。通院履歴や症状から判断して3年程度が妥当と思慮致します。」
要約:他覚的所見がないのに喪失期間5年はありえない!ほんとは2年と言いたいところだけど3年でどう?
という反論でした。
なにもわからなければ納得してしまいかねない内容ですね。

最終的に担当弁護士が下した判断(あっ旋案)は以下のようなものでした。

「申立人は後遺障害14級9号に認定されていますが、労働能力喪失期間につき、相手方保険会社は申立人につき他覚的所見が認められないことなどから3年程度が妥当と主張しています。しかし、14級9号は他覚的所見が認められない神経症状につき認められることが多いことからすれば、本件で労働能力喪失期間を特に短期間に限定すべき事情はないと考えますので、労働能力喪失期間は5年程度が相当と考えます。」
要約:他覚的所見がないから14級なんでしょうが!そんなおかしな主張で喪失期間を短くすることはできないよ!
というものでした。

被害者にとって最高の結果となりました。
後からわかった事ですが、この件の担当弁護士は、論理的に物事をとらえ、丁寧で実直な仕事のできる弁護士として巷では有名な方でした。
この件でも双方の主張を照らし合わせ、双方を納得させる根拠を添えた、すばらしいあっ旋案をきちんと文書で提示していました。
(和解のあっ旋は文書または口頭で行われます)

このように、担当弁護士にあたりはずれがありますが、弁護士を選ぶことができないので残念ですね。

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