交通事故コラム

交通事故と行政書士 2014.02.21

週に一回交通事故に関するブログを書いているのですが、いよいよ、ネタが無い!(笑)

ということで読者登録をしているブログをみていると、参考になりそうな記事があったのでそちらからインスパイアされた記事を書いてみたいと思います。

行政書士が交通事故業務を行う根拠は、

行政書士法一条の2 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。

の中の「その他権利義務又は事実証明に関する書類」の部分です。

しかし、この一文に争いが生じます。
なぜなら、取りようによってはほぼ無敵だからです(笑)。
行政書士の業務範囲がでたらめに広いのは、この一文が原因です。
他の法律で明確に制限されていなければ、これを根拠に何でも作れてしまいます。

「官公署に提出する書類の作成」は明確ですので、ほぼ争いはありません。行政書士でないものが報酬を貰って官公署に提出する書類の作成を行えばアウト(行政書士法違反)です。(独占業務)

行政書士サイドからは権利義務又は事実証明に関する書類を広い範囲でとらえていきたいし、隣接他士業(特に弁護士、司法書士)からは狭い範囲でしか認めたくありません。

弁護士法72条には「非弁護士の法律事件に関する法律事務に該当するものの取扱い等の禁止」があり、行政書士の交通事故業務はこれに抵触する危険性を含んでいます。

行政書士は自賠責保険金の請求書作成(自賠法15条、自賠法16条)については、昭和44年と昭和47年に自治省行政課長からの回答では、72条の規定に接触しない、そして行政書士の業務範囲であると述べていること等から自賠責保険金の請求書作成は行政書士法の「その他権利義務又は事実証明に関する書類」に当たるとして違法ではないことを主張します。

要するに、弁護士でない者がお金もらって法律事務したらダメよ。
でも、その他の法律で認められてる者がその認められてる範囲でならOKよ。


「おまえ、お金もらって法律事務しただろ!逮捕だ~!」
「あっしがやったのは、その他の法律(行政書士法)で認められてる範囲のものだから逮捕なんてできませんよ~!」

というものです。
行政書士の資格すら持っていない者が法律事務してお金もらったら(業としてしたら)言い逃れできません。
そういう何の資格も持たないで、交通事故に関与してお金を貰う人を「示談屋」といいます。
見つかったら逮捕されちゃいます。

もちろん弁護士サイドや行政書士をよく思わない人たちは、
「その条文はそういう意味では無い!自賠責保険の請求に関しても自治省の発言なんて司法の判断でないのだから何の根拠にもならん!」
と否定しますので争いとなってしまっています。

この争いは、弁護士が自分たちの仕事をとられたくないから駄々をこねているのではなく、行政書士の中には未熟な知識・経験の者が多く、野放しにしていたら国民が不利益を被る危険性が高いと感じているから起こるものだと思います。

実際にインターネット上でも危ない行政書士はたくさん見つかりますし、身の回りにもいたりします。
我々、交通事故を取り扱う行政書士がすべきことは他士業などからの圧力から言い逃れする術を考えることではなく、能力を伸ばし、被害者に不利益が発生しないよう尽くすべきだと思います。

私は違法なことに手を染めたくはないので、行政書士の交通事故業務の範囲がきちんと線引きされ、争いのない状態となることを切に望んでいます。
(弁護士先生の「自賠責保険の請求に関しても自治省の発言なんて司法の判断でないのだから何の根拠にもならん!」との主張をみると、じゃあ、保険会社の示談代行が弁護士法72条に反しないという根拠ってなに?と問うてみたくなります。)

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