交通事故コラム

弁護士費用特約がない? 2016.01.28

自動車保険にはだいたいどの会社のものでも弁護士費用等特約と呼ばれる特約があります。

弁護士費用等特約とは、交通事故により被害を被ったことを相手方に請求するために弁護士、司法書士、行政書士などに、相談、依頼をした際にかかる費用を自身が加入している自動車保険から支払ってもらえるという特約です。
この特約は、使用しても次年度からの自動車保険料が上がる、等級ダウンはありません。
多くの保険会社は300万円を上限としています。

交通事故に遭った場合には使用した方が被害者にとってはメリットしかありません。
(逆に特約として保険料を支払っている以上、使わなければ損かも・・・)

契約自動車に搭乗中以外でも使えることがあります。
契約者(記名被保険者)の配偶者、同居の家族、別居の未婚の子などが使えます。
自分は車を持っていないので、関係ないと思っている被害者に、家族構成や婚姻歴などを尋ね、よくよく調べてみれば使えたということが何度も有りました。

弁護士費用等特約は、会社によって使用できる専門家がまちまちです。
東京海上日動の弁護士費用等特約は弁護士と一部の司法書士のみが対象で、行政書士は使用できません。

先日、東京海上の自動車保険に加入していた被害者の方からご相談を受け、弁護士費用特約が付いているか確認したところ、付いていませんでした。
しかし、東京海上の自動車保険には自動付帯※で「法律相談費用補償特約」という特約がついています。※自動付帯とは契約者が選択して付帯するものではなく基本的に付帯している特約です。
この特約は、限度額が10万円となり、行政書士も対象となります。

法律相談費用という名目なので相談にかかる費用だけが対象と勘違いされる方が多いのですが、約款によると、行政書士の行う次の行為が対象になります。

ア 行政書士法第1条の3第4号に定める相談
イ 行政書士法第1条の2および第1条の3第3号に定める書類の作成
●行政書士法第1条の2・・・
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。
●行政書士法第1条の3第3号・・・
前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。

交通事故の場合は、1条の2「権利義務又は事実証明に関する書類の作成」が関係し、自賠責保険を含む保険金請求書類の作成がこれに当たります。

後遺障害の申請書類作成などは弁護士費用等特約ではなく、法律相談費用補償特約で対応が可能になります。
弁護士や行政書士の依頼を検討しているけど、自分の自動車保険に弁護士費用特約がついていないと思って躊躇されている方は、もう一度ご自身の自動車保険の契約内容をご確認ください。

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